には市の水源地があり浄水はここから綾部の各家へくばられている。
お山に水があがるといわれた開祖の言葉の実現をよろこび、綾部と
大本が一つにとけあった姿を記念して、「本宮山に和知川(由良川
のこと)の水くみあげて生命の真清水ながしゆくなり」とうたわれ
た二代教主出口すみ子の歌碑がたつ。この碑の前でうつされたすみ
子刀自と長岡市長の写真が大本歴史の一コマをかざる。
 開教六十年を記念して完成した本宮山麓のみろく殿は、総面積一
八六五平方メ−トル、高さ二三メ−トル、七八九枚の畳がしかれ丹
波路にその偉容をほこる・みろく殿はまた、五六七殿、弥勒殿とも
かき、すくいと平安な世界をまつ民衆のねがいがこめられていて、
毎年、節分大祭、みろく大祭、大本開祖大祭がおこなわれる。
 二月の節分は、太古に天地の親神が世のにおしこめられた受難
の日、また時みちて明治二十五年に大本に出現された日である。大
本ではこの日をしのびおいわいして、大祭と大祓の神事が夜をて
っしておこなわれ、市長、市議会議長、自治会長、商工会議所会頭
などが全国代表とともに感謝の玉串をささげる。全国各地や海外か
らもよせられた人型三百万体が神前に祈念され、和知川の清き早瀬
にながされるさまは荘厳かつ詩情ゆたかな情景で、「福は内、鬼も
内」の豆まきとともに特有の行事として知られる。殿外では大かが
り火が火の粉を天にたかくふきあげ、家族つれだった人々で苑内は
にぎわう。お祝いの甘酒に気はいさみ、福ダルマに明日の幸せをた
くして立春をむかえるのである。
 みろく殿をまわると、タンタンとはたの音がひびく。さそわれる

目次 ↑ ←154 155 →156